学ぶ〖新型コロナ感染を防ぐ力⇒免疫・抗体とは〗 新型コロナ感染率「血液型で異なる」科学的根拠 (2)O型は「血栓」ができにくい
(2)O型は「血栓」ができにくい
前回の続きです。(9.11東洋経済オンラインより、感染免疫学者である藤田紘一郎氏の最新刊『血液型と免疫力』を一部抜粋、再構成した以下記事です。)
もう1つ、O型の人の重症化率が低い理由として考えられるのは、O型は他の血液型より血栓(血の塊)ができにくいことです。
O型の人は「フォン・ヴィレブランド因子」が他の血液型より3割ほど少ないと知られています。フォン・ヴィレブランド因子とは、血液を固めて止める血液凝固因子のこと。これが少ないということは、血栓(血の塊)が血液中にできにくいことを示します。血栓は脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓などを引き起こします。
新型コロナ感染症では、これらの血栓症が起こる頻度が高くなっています。O型は、フォン・ヴィレブランド因子が少ないことで、他の血液型よりも血栓症を起こしにくい。それがO型の重症化率をある程度抑えているのではないか、と考えられるのです。
生まれ持った免疫力も、血液型によって違ってくると考えられます。
免疫とは、ご存じのとおり、感染症などの病気を防ぎ、治す働きのこと。
その力が強ければ、新型コロナ感染を防ぐ力も高まります。感染しても重症化を抑えるのも免疫の働きです。よって、感染と重症化の予防には、免疫力を日頃から高めておくことが、何よりも大切です。
免疫の働きは、複数の免疫細胞や組織の連携によって形成されていて、その一つに「抗体」があります。抗体は、体内に起こった「異物」に特異的にくっついて破壊するたんぱく質のことです。
私たちは、血液型によって異なる抗体を持っています。
血液型は、赤血球のまわりにとげのようにたくさんある「糖鎖」で決まります。血液型で異なる糖鎖を「血液型物質」と呼びます。A型の人はA型物質を、B型の人はB型物質を持ちます。AB型はA型とB型の血液型物質を持っていますが、O型の人はどちらも持ちません。ちなみに、血液型物質は、赤血球だけにあるのではなく、全身に広く分布しています。
そして、ここが重要です。免疫は、「自分の血液型物質とは反対の抗体」をつくり出します。これによって、以下のような現象が起こります。
・A型は抗B抗体をもつ
・B型は抗A抗体をもつ
・AB型はどちらも持たない
・O型はどちらも持っている
抗体は、異物を排除するためのいわば「武器」。その量の差は、免疫力の差を生み出す一因にもなってきます。つまり、抗A抗体も抗B抗体も持つO型は免疫力がもっとも強く、どちらも持たないAB型は免疫力が弱くなりやすいのです。
なお、A型の人が抗A抗体を持たないのも免疫の重要な働きの一つです。万が一にも、全身に分布する血液型物質に抗体がつくられたら、抗体が自分の血液型物質に攻撃を仕掛け、激しい炎症が全身で起こってしまいます。そんなことが起こらないよう、免疫には、自分に有益と判断したものには抗体をつくらず、受け入れるしくみが備わっています。これを「免疫寛容の法則」といいます。
次回『学ぶ免疫力 新型コロナ感染率「血液型で異なる」科学的根拠(3)微生物との闘いのなかで強固な免疫力を築いた(4)免疫力は食事や生活環境に影響される』
『今日の1曲』カバー「黄昏のビギン with 大江千里 (ピアノ)」歌い手:岩崎宏美 作詞:永六輔 作曲:中村八大
この季節の夕方にピッタリです。ちあきなおみ他たくさんのシンガーにカバーされています。
<ウキペディア⇒「黒い落葉/黄昏のビギン」(くろいおちば/たそがれのビギン)は、水原弘のシングル。1959年10月に東京芝浦電気(現・東芝)の音楽事業部、東芝レコード(現・ユニバーサル ミュージック合同会社)から発売された。>
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